基盤工学部Industrial and Welfare Engineering
- 電気電子情報工学科
- 医療福祉工学科
電気電子情報工学科Department of Electrical Engineering and Computer Science
電気電子情報工学とは
電気・電子・情報技術の融合
家庭やオフィス・工場などで「電気」は不可欠です。最近では節電への意識から効率のよいエネルギーの利用が求められています。またコンピュータやスマートフォンの普及に伴い、ネットワークを使ったサービスや機器の利用が増加しています。これらは電気・電子・情報それぞれの技術革新だけではなく、3つの技術の融合によって実現されています。
電気
電気工学は産業を牽引してきた社会に必要な技術で、主に電気エネルギーを安定的かつ効率よく利用する技術が開発されています。
電子
電子工学は半導体の開発とともに大きく普及した技術で、その集大成であるコンピュータはさまざまな用途に使われています。
情報
情報工学は情報を工学的に扱う技術で、主にコンピュータを使った処理が行われており、さまざまな分野に応用されています。
電気自動車
バッテリーとモーターを中心に構成されており、電気電子技術・制御技術の集大成です。大きなバッテリーを搭載しているため、家庭の予備電源としても注目を浴びています。電機メーカーなど新しい会社の参入が期待されています。
ソーラーパネル
太陽光を電力に変換する装置で、現在では各家庭へ徐々に普及してきました。半導体技術の進歩により発電効率はどんどん上がってきています。電力のインターネットと呼ばれるスマートグリッドとともに普及が期待されています。
電化製品
テレビやエアコンなどの電化製品に、通信機能付きのコンピュータを搭載することで、家庭全体を効率よく制御する、スマートハウスという仕組みが開発されています。遠隔操作など新たなサービスの提供も期待されています。
ロボット
産業用ロボットで培われた電気電子技術や制御技術が転用され、掃除ロボットなどの家庭用ロボットが開発されています。これまでの機械製品開発の実績から、自動車メーカーや電機メーカーを中心に研究が進められています。
スマートフォン/タブレット
電子技術・半導体技術の進歩に伴う処理速度の向上や、基本ソフトウェアの開発により、従来の携帯電話やパソコンに取って代わりつつあります。ネットワークに繋がれた電化製品の遠隔操作やモニタリングを行うこともできます。
教育目標
基盤工学部電気電子情報工学科の教育研究上の目的は、大学・学部の教育目的に沿って、電気・電子・情報の3分野の基礎と応用を学ぶことにより、複合した境界領域における幅広い応用力をもった人材を養成することです。特に、コンピュータを含む電気電子工学を基礎として、「ネットワーク・セキュリティ」、「情報メディア」、「知能ロボット」、「地球環境・植物生産」の分野で具体的な応用について学び、これからのIoT(Internet of Things:モノのインターネット)時代に必要な技術の創出と発展、さらに、生活の質向上と福祉に寄与する人材を養成します。* IoT(Internet of Things)は、モノのインターネットと呼ばれ、センサーや通信機能を持つ機器がインターネットに接続され、情報交換し、相互に制御する仕組みのことを指します。
時代のニーズに合わせた4分野を横断的に学ぶ
きめ細かで徹底した学生指導を、少人数教育で行っています。
現代の社会はネットワークを基盤として再構築されつつあります。この分野では、安全・安心なネットワーク社会の実現を目指し、コンピュータネットワークや、セキュリティ、暗号・情報理論について学びます。
この分野では、地域社会と共存しながら自律的に行動できる、知能ロボットの開発を目指しています。そのために、電子工学と機械工作をベースに、知能ロボット工学、制御工学、人工知能などについて学びます。
コンピュータとネットワークによって生み出される新たな表現手段とコミュニケーションが注目されています。この分野では、WEBデザイン、メディアコンテンツ制作、マルチメディア信号処理などについて学びます。
IoTは新しい形の農業を拓こうとしています。センサーネットワークによって生育環境が制御できる植物工場はその一つです。この分野では、植物工場や、地球的規模で環境をセンシングする技術について学びます。
取得可能な免許・資格
教員課程
高等学校教諭一種免状(工業) |
資格取得に有利
情報処理技術者試験 | 組込みソフトウェア技術者試験 | シスコ技術者認定 |
オラクルマスター | Linux技術者認定試験(LPIC) | CGエンジニア検定 |
画像処理エンジニア検定 | マルチメディア検定 |
医療福祉工学科Department of Medical Care and Welfare Engineering
医療福祉工学とは
医療の現場では、臨床工学技士としての
高度な知識・技術とともに幅広い教養が求められています
4年制大学の学びを通して、医療現場を先導する人材になろう!
臨床工学技士は医療従事者です。医療現場では、臨床工学技士としての知識や技術はもちろん、医療チームの一員として患者さんやチームの仲間と良好なコミュニケーションが取れることも重要です。そのためには、幅広い教養と医療機器に関する高度な知識と技術、さらに経営のセンスを身につけておく必要があります。このような要求に応えるために、4年制大学卒の学士号を持った臨床工学技士が必要となってきています。高度化、複雑化する医療機器に対応し、チーム医療の一端を担うためには、臨床工学技士も日々研鑽・進歩を続けなければなりません。
教育目標
基盤工学部医療福祉工学科の教育研究上の目的は、大学・学部の教育目的に沿って、「臨床工学」の分野と「医療情報」の分野の知識と技術を学び、医学と福祉に応用できる力を養い、臨床現場において医療機器の進歩や高度ICT医療に柔軟に対応できる「臨床工学技士」や「医療情報技師」として、医療・福祉に貢献する人材を養成することです。
チーム医療を直接体験 臨床実習
実際に病院で装置や機器に触れ、
臨床工学技士の業務を体験する実習です。
臨床工学技士としての基礎的な実践能力を身につけ、チーム医療の一員としての責任と役割を自覚することを目的としています。また、臨床工学技士国家試験受験資格を得るには、臨床実習の単位を修得しなければなりません。臨床実習では、臨床現場の医師や医療スタッフの直接的な指導を通して、講義では得ることのできない知識やヒントを得ることができます。臨床工学技士としての仕事を考える上で、貴重な体験となることでしょう。
○実習内容
臨床実習では、血液浄化装置実習、集中治療室及び手術室、医療機器管理業務の4分野を体験します。
時期は、3年次終了時の2月~3月の約1ヵ月間参加します。
手術室
- ●人工心肺装置
- ●麻酔器
- ●ロボット手術装置
集中治療室
- ●人工呼吸器
- ●高気圧酸素治療装置
- ●経皮的心肺補助装置
救急救命センター
- ●生体情報モニター
- ●除細動器
- ●体外式心臓ペースメーカ
透析室
- ●人工透析装置
- ●腹膜透析装置
- ●血液浄化装置
○スケジュール例
○臨床実習先
実習先は九州を中心に展開
熊本県 | 済生会熊本病院(熊本市南区)、熊本大学病院(熊本市中央区)、熊本赤十字病院(熊本市東区)、熊本医療センター(熊本市中央区)、熊本中央病院(熊本市南区)、熊本総合病院(八代市)、朝日野総合病院(熊本市北区)、嶋田病院(熊本市中央区) |
鹿児島県 | 鹿児島大学病院(鹿児島市)、鹿児島共済会南風病院(鹿児島市)、鹿児島医療センター(鹿児島市)、今給黎総合病院(鹿児島市)、垂水中央病院(垂水市)、大隅鹿屋病院(鹿屋市) |
福岡県 | 小倉記念病院(北九州市)、久留米総合病院(久留米市)、飯塚病院(飯塚市)、九州大学病院(福岡市)、福岡徳洲会病院(春日市)、宗像水光会総合病院(福津市) |
佐賀県 | 佐賀医療センター好生館(佐賀市) |
長崎県 | 長崎医療センター(大村市)、長崎みなとメディカルセンター(長崎市)、佐世保中央病院(佐世保市) |
宮崎県 | 宮崎市郡医師会病院(宮崎市)、宮崎江南病院(宮崎市) |
沖縄県 | 琉球大学医学部附属病院(中頭郡)、沖縄徳洲会中部徳洲会病院(中頭郡)、沖縄徳洲会南部徳洲会病院(島尻郡)、八重瀬会同仁病院(浦添市)、おもと会大浜第一病院(那覇市)、沖縄県立中部病院(うるま市) |
関東 | 東海大学医学部付属病院(伊勢原市)、東海大学医学部付属八王子病院(八王子市)、横浜労災病院(横浜市)、昭和大学病院(東京都品川区)、千葉医療センター(千葉市)、千葉メディカルセンター(千葉市)、三愛記念病院(千葉市)、千葉東病院(千葉市)、日本医科大学千葉北総病院(印西市)、群馬県立心臓血管センター(前橋市)、東邦病院(みどり市)、小張総合病院(野田市) |
中部 | 諏訪中央病院(茅野市)、静岡市立静岡病院(静岡市)、藤枝市立総合病院(藤枝市)、静岡医療センター(駿東郡) |
東北 | 山形大学医学部附属病院(山形市)、東北大学病院(仙台市) |
四国 | 徳島大学病院(徳島市)、愛媛県立中央病院(松山市) |
○臨床実習に行く期間
総時間数は180時間以上と規定されていますので、延べ日数は約1ヵ月間です。
○「臨床実習」の費用
実習先の病院によって若干異なりますが、実習費は約1,000円/日です。
(交通費、昼食代、予防接種費用などを除く)
○臨床実習に行くメリット
臨床工学技士国家試験受験資格に必要な実習です。実際の臨床現場で貴重な体験ができます。
○臨床実習の実績
すでに総合病院などから実習承諾書を頂いておりますので、安心して臨床実習を受けることができます。
取得可能な資格
指定科目の修得で卒業と同時に取得可能
臨床工学技士国家試験受験資格 |
資格取得に有利
第1種・第2種ME技術実力検定 (学会認定資格) |
医療情報技師(学会認定資格) | X線作業主任者(国家資格) |
合格者インタビュー
第2種ME技術実力検定※ME(Medical Engineering:医用工学)
2年次までの学習範囲外を含む検定に合格! 学習方法のポイントは?
医療福祉工学科3年次
北原 美空さん 東海大学付属札幌高等学校(北海道)出身
資格取得を後押しする、きめ細やかな対策講座
先生方の手厚いサポートで「第2種ME技術実力検定」に合格しました。先生が分野別の過去問の問題集を作って下さり、それを何度も何度もひたすら解きました。また、わからないことはすぐに先生に聞きに行ったり、解けなかった問題の解説集を自作し、繰り返し読むことで理解を深めました。今後は、「第1種ME技術実力検定」にチャレンジしたいですね。
医療福祉工学科4年次
松田 芽衣さん 熊本学園大学付属高等学校(熊本県)出身
理解できるまで先生や仲間に質問 自分を追い込み、試験勉強に集中
2年次に「第2種ME技術実力検定」に合格できなかった原因は、理解不足にあったと反省し、不明な点は腑に落ちるまで先生や仲間に質問。過去問題をすべて理解できるまで徹底的に自分を追い込みました。理解を深めたことで、初見の問題でも解けるようになり合格することができました。自宅では気が緩むため、学校で試験勉強をすることで集中力を持続させました。
目指す業界・進路
大学、公共、民間の医療機関 | 医療機器開発、営業分野 | 大学、専門学校などの教育機関 |
ヘルスケア業界 | 公務員(県/市町村) |
臨床工学技士以外の就職先
医療と工学の知識を生かし、医療機器メーカで新製品の開発を行うエンジニアや、医療機器販売会社でのセールスエンジニアの道もあります。また、大病院を中心に導入が進んでいる医療情報システムの運用管理を行う「医療情報技師」の資格取得を目指す履修モデルも用意されています。