農学部Agriculture

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応用植物科学科Department of Plant Science

応用植物科学科3年次

中川 啓也さん / 県立三本松高等学校(香川県)出身

国産米を品種改良する夢の実現に向け
座学や実習で農学の知識や技術を習得

農業を営む祖父の米づくりを幼い頃から手伝ってきた私は、アメリカ産などの輸入米が近年高い評価を獲得している現状に危機感をもち、国産米の品種改良の必要性を感じました。将来は、地元の県庁で米の品種改良にかかわる仕事をしたいと考えおり、農学のさまざまな知識や技術を習得するために本学科で学んでいます。本学の広大なフィールドで多様な作業経験を積み技術を磨く中で、農業経験のない仲間に畝の立て方を教えたことで仲間から感謝されたこともありました。1年次から続けている塾講師のアルバイトで中学生に英語と数学を教える経験も、指導力を鍛えるよい機会ととらえ、今後の仕事に生かしたいです。また、1年次に参加した「阿蘇援農コミュニティープロジェクト(チャレンジセンター)」では、阿蘇地域の農家さんでメロンやイチゴなどの植えつけや収穫を経験させていただきました。作業の負担を減らす工夫や、手作りの水やり装置で設備コストを削減する方法なども教えていただき、座学では得られないことを学べ、とても感謝しています。これから予定しているインターンシップでは、地元である香川県の県庁の試験場や、本庁の物産・広報活動、行政の具体的な仕事について学びたいと考えています。大学院への進学も視野に入れているので、品種改良の知識をさらに深めるとともに、高校時代から続けている弓道部の活動で精神面を鍛えていきたいと思います。

2019年度卒業

中野 萌さん / 県立日田高等学校(大分県)出身

ウリ科植物の原種育成と形態的調査を行い品種改良の礎に

「植物環境科学研究室」に所属し、キュウリをはじめとするウリ科植物の原種育成と形態的調査の研究をしました。具体的には、阿蘇実習フィールドで春と秋に、それぞれ約30種類のウリの原種を育て、成長過程で節の数や葉の大きさ、花の数、葉緑素の量などを調査しました。このように原種の特性を知ることで、将来的に耐塩性に優れたウリなどをつくるための品種改良の礎になると考えています。また、育てる目的の一つは、原種の種(たね)を保存することにもあります。ウリの中には、雌花しかつかない品種もあり、薬品で処理して雄花を作り、交配して種子を取るなどの作業も行いました。阿蘇実習フィールドのハウス内は、気候変動などのさまざまな要因で、病気が発生することもありました。トラブルが起こると臨機応変に対応する必要があり、マニュアル通りにならない難しさを感じました。また、研究室内では、無菌の培地でウリを育て、気温の変化など環境による影響を受けない状態での生育状況の観察も行いました。一方で、光がウリ科植物に与える影響を調査するなど、さまざまな条件下での生育状況も研究しました。培養は手順を間違えたり、消毒が不十分だったりすると失敗して初めからやり直しになるので、最新の注意を払うことが必要でした。研究は行き詰まることもありましたが、仲間とお互いの研究についての悩みを話しながら、お昼ご飯を食べているときはリフレッシュできるひとときでした。

応用植物科学科4年次

市川 創一郎さん / 県立郡山高等学校(奈良県)出身

雑穀の可能性を探り
世界が直面する食糧問題解決の足がかりに

本学科で米についての学びを深めるうちに、米が育たない土壌でも比較的育ちやすい雑穀について興味をもちました。アワ、キビ、ヒエなどの雑穀は、津波による塩害や、土地がやせているなどの条件下で育つ可能性を秘めているだけでなく、その栄養価の高さから健康寿命を延ばす役割も注目されています。世界の食糧問題や健康課題の解決につながる研究なので、やりがいがあります。また阿蘇実習フィールドの農業実習では、トウモロコシやコマツナ、ダイコンなどを育てています。畦立てや施肥、雑草の管理などを経験し、作物を育てる難しさを体感しました。課外活動では、「南阿蘇大復興祭」というイベントの運営に携わりました。本部の責任者としてイベントのエントリー受付や違法駐車の取り締まりなどを行い、参加者の皆さんに楽しんでいただくことができました。今後は、食品衛生監視員任用資格や健康食品管理士の資格取得にもチャレンジし、食品成分について正しい知識を身につけたいです。

応用動物科学科Department of Animal Science

応用動物科学科4年次

江草 なな子さん / 県立高梁高等学校(岡山県)出身

共同研究や研修で培った技術や経験を
牛の飼育管理に役立てる

実家の畜産業を手伝う中でウシに興味をもち、現在は「家畜管理学研究室」に所属してウシの白血病の発生を防ぐための研究を県の家畜保健所と協働で行っています。私は、ウシの血液から白血球を抽出した後、白血球のDNAを取り出す担当をしていますが、家畜保健所で解析していただくDNAの解析精度を高めるため、無傷のDNAであることが要求されます。そのため、今は正確な作業を確実に積み重ねることで技術を磨いている最中です。また、昨夏、女性のみで運営されている鹿児島県の牧場で、インターンシップを経験しました。肉牛の価値を高める飼育方法や、画期的な運営の仕組み、実際の働き方を学ぶとともに、女性社長のウシに対する愛情や仕事への情熱に感銘を受け、畜産業で仕事がしたいという思いがさらに強くなりました。また、「みずあかり※」運営委員にボランティアで参加し、幅広い世代の方と交流したことで視野が広がり、成長につながったと思います。
※「竹」「火」「水」「ろうそく」といった熊本の資源を生かした灯りの祭典です。

応用動物科学科4年次

五十嵐 香月さん / 都立瑞穂農芸高等学校(東京都)出身

実習地が近い恵まれた環境で
ブタの受精率向上について研究

農業高校で酪農について学んでいた私は、畜産分野の学びをさらに深めたいという思いから、畜産が盛んな熊本県にある本学科に進学しました。現在は「動物繁殖学研究室」に所属し、環境温度がブタの精子に及ぼす影響を調査し、低温に弱いブタの精子の冷凍保存を可能にする技術を探求しています。本学科は実習フィールドが近くにあるため、動物たちと触れ合う機会が多く、恵まれた環境にあります。本研究室には動物好きな仲間が集まっているので、実習中はみんないきいきとしていて、仲間とともに学ぶことの楽しさを実感しています。今後はブタの卵子についても調査・研究し、受精率を向上させる要因を探りたいと思います。また、北海道にある他大学での研修や、熊本県の農業研究センターにある畜産研究所でのインターンシップを経験し、現場で働く皆さんの仕事に対する真摯な姿勢に触れました。これらの経験を通し、動物の生命に携わる者の矜持を学ぶことができました。一方、1年次から所属する「阿蘇援農コミュニティープロジェクト(チャレンジセンター)」では、阿蘇地域でアスパラガスを育てている農家さんを訪問し、収穫の手伝いをさせていただきました。畜産農家さんでは、ニワトリのと殺の現場を見学する機会があり、命の重みを実感する貴重な経験をできたことに感謝しています。今後は日本農業技術検定1級や農業簿記検定にも挑戦したいです。

2019年度卒業

角田 充さん / 九州学院高等学校(熊本県)出身

褐毛和種の耐暑性を科学的に解き明かしたい

阿蘇実習フィールドで放牧しているあか牛(褐毛和種)の「耐暑性」を科学的に証明するための研究に取り組みました。夏季に放牧をすると、暑熱や疾病というストレスを受けますが、あか牛はこれらのストレスに対して強く、放牧に適した品種と言われています。その耐暑性を科学的に証明するために褐毛和種と黒毛和種で比較実験を行いました。手法としては、気温と湿度を記録し、この温度と湿度から算出されるTHI(温湿度指数)を基に、直腸温度や呼吸数、体表面温度を計測し、品種差を調べました。放牧地や畜舎の中で体温と体表面温度を測る際は、動物用のデジタル直腸温度計やサーモグラフィで計測し、専用の解析ソフトを使って平均の体表面温度を解析しました。ウシの直腸に体温計を入れる際には蹴られて大けがにつながることもあるため、細心の注意が必要でした。研究に取り組む中で、予測していたものと結果が異なることもあり試行錯誤の連続でしたが、行き詰まったときは先生に助言をいただくことで解決していきました。研究室では、フィールドで得たデータの整理、解析、論文・文献調査、卒論執筆、外書購読、ゼミ発表など、忙しい日々でしたがとても充実していました。また、農家さんとの雑談の中で、過去の経験から得た知恵や勘などにヒントを得ることも多く、座学だけでは知り得ない幅広い知識を身につけることもできました。

バイオサイエンス学科Department of Bioscience

バイオサイエンス学科4年次

杉本 茉優さん / 県立伊豆中央高等学校(静岡県)出身

乳酸菌とトマトの相乗効果で生まれる
機能性を見つけたい

子どもの頃から納豆が大好きで、発酵のメカニズムについて学びたいと思い本学に進学しました。現在は、栄養価の高いトマトを乳酸菌で発酵させ機能性を調べることで、高い付加価値の付いた発酵トマトの開発を目指して研究を行っています。トマトをミキサーにかけて培地をつくり、そこに選抜した13種類の乳酸菌「TOKAI菌株」を添加し、どのような機能性があるかを調べています。実際に発酵により抗酸化力が上がる菌も見つかっており、商品化が期待されます。また、昨年11月には、尚網大学とコラボして「熊本の食材」・「ヘルシー」をキーワードに、「野菜たっぷりヘルシー弁当」を企画・販売しました。1年間かけて栄養価や彩りなどを考えながら、完成、販売した経験から、将来は食品会社で商品開発の仕事がしたいという夢も生まれました。今後は、さらに研究を進め、発酵化学の楽しさを後輩たちに伝えたいですね。

バイオサイエンス学科3年次

日比 友之さん / 県立大垣西高等学校(岐阜県)出身

目に見えない微生物のはたらきを
実験で解明する楽しさ

高校生の頃、生物の授業が好きで、ヒトの体の中で起きている現象や、目に見えない微生物が、デンプン、糖、タンパク質などの有機物を分解する発酵などに興味があり、本学科に進学しました。現在はタンパク質の解析方法を学んでいるほか、乳酸発酵やアルコール発酵などの実験で知識を深めています。乳酸菌の実験では、米のとぎ汁を発酵させ、乳酸菌の種類を同定する実験を行いました。また、日本酒の製造過程を学ぶために行った実験も忘れられない体験です。ビーカーに酵母や砂糖、水を加え、砂糖がアルコールに変化していくプロセスを観察しました。このような実験を通して体験的に学ぶことで、座学での学んだ知識に磨きをかけることができます。その他にも、スポーツドリンクに含まれているクエン酸の効能について学びました。ヒトは、体を動かすことで乳酸がたまり疲労しますが、クエン酸を服用することでクエン酸回路がまわり、乳酸の分解が促され回復する仕組みがある事を知りました。私たちが、日々の暮らしの中で体感していることの原理を学べるところに、本学科の楽しさがあります。プライベートでは、熊本から実家のある岐阜県まで自転車で帰省することにチャレンジしました。準備不足からか、途中でふらふらになり、講義で学んだ低血糖のしくみや、クエン酸の効果を思い出し「こういうことか」と身をもって実感したことも、今では良い思い出です。

2019年度卒業

黒木 葉月さん / 県立宮崎北高等学校(宮崎県)出身

生薬成分の代謝プロセスについて研究し
ポリフェノールの効能と活性を調べる

食品や薬用植物中の薬用成分などに興味があり、「食品機能科学研究室」を選びました。卒業研究では、生薬中に含まれるポリフェノールの薬物代謝に注目し「ヒドロキノン関連代謝物間の抗酸化能の比較と硫酸体代謝物の合成」というテーマに取り組みました。体の中に取り込まれたポリフェノールの1つであるアルブチンは、さらに代謝されてヒドロキノン、一部がヒドロキノンの硫酸体へと変化します。それぞれ代謝の前後で効能や活性が変化します。私は主にプレートリーダーを用いて試験管レベルで機能性の違いを調べました。研究で入手が難しい代謝物を使用する際は、有機合成にも取り組みました。参考となるような論文も少なかったため、自分の研究に役立つ論文を探しているときが一番苦労しました。また、実験で期待したデータが得られずに試行錯誤することも多かったですが、次に行うべき実験や、どのようなデータを取りたいのかを自ら考え、先生に相談しながら方向性を探っていきました。研究の進捗状況をまとめ、パワーポイントを使ってゼミや学会で報告したり、英語の論文を読み込んで発表したりと、実験以外にもさまざまなことに取り組みました。今までわかっていなかったことを自分で計画を立てて行動し、明らかにしていくことで、やりがいと達成感も生まれ、毎日が充実していました。

留学プログラムStudy abroad

応用動物科学科4年次

小川 紘司さん / 県立一宮南高等学校(愛知県)出身

目からウロコの異文化体験
南十字星に、飛躍を誓う

1年次の2月、望星丸に乗船し42日間の海外研修航海に参加しました。海外研修航海は、諸外国を訪問して国際的な視点を養うとともに、各キャンパスから集まった学生との共同生活を通じて豊かな人間性を育むためのプログラムです。私たちは、ミクロネシア連邦のポンペイ島、バヌアツ共和国・ポートビラ、サモア独立国・アピア、マーシャル諸島共和国などに寄港、貴重な体験をしました。特に印象深かったのは、ミクロネシア連邦にある世界遺産のナン・マドール遺跡です。玄武岩の六角柱が綿密に組み合わされてできた巨石水上都市で、とても神秘的でした。また、アカウミガメの孵化場を見学したことも心に残っています。そこでは他の孵化場と異なり、天敵に食べられてしまう可能性を減らすために、ウミガメをある程度成長させてから海に放していました。また外国には、日本で食用としていない動物を食している国もあり、本学科で動物について学んでいる私にとって各国の文化の違いにはとても驚きました。湘南校舎や高輪校舎の友達もたくさんでき、学科が異なる仲間と話すと、まったく違う視点で物事をとらえていることもあり、視野を広げるきっかけとなりました。共に乗船した仲間の中には、英語が堪能な学生もおり現地の方とコミュニケーションを取っている姿を見て、自分自身の語学力不足を実感し、英語への学びを深めたいという思いも強くなりました。帰路では、船上から南十字星が見えました。旅を振り返りながら、南半球でしか見ることのできない星を目に焼きつけ、この経験を胸にさまざまなことにチャレンジしようと、思いを新たにしました。

留学前に備えるべきことや、留学中に心がけたこと

  • ①留学先の情報がどのような言語なのかを知っておく
  • ②単語だけでもいいから英語を覚えておく
  • ③日本食をもっていっておく
  • ④酔い止めをしっかりともっていく
  • ⑤留学中に必要な物をしっかり準備しておく
  • ⑥何のために留学に行くのかを目標を立てておく

留学中のある日のスケジュール

バイオサイエンス学科3年次

城土 実桜さん / 県立新宮高等学校(福岡県)出身

積極的にコミュニケーション
デンマーク留学で、英語の苦手意識を克服

高校の頃、英語に対する苦手意識が強く、留学のチャンスを逃がした経験がある私は、大学では必ず留学しようと考えていました。初めての海外のため治安面を考慮し、本学の「海外派遣留学プログラム」の中から学生寮のあるデンマークの望星国民高等学校を選択。1年次の夏休みに4週間の留学をしました。科目は、英語などの語学以外に、サイクリング、Eスポーツ、空手などさまざま。クッキングや指圧のクラスもあり驚きました。滞在当初は会話のスピードが速くヒアリングに苦労しましたが、同じクラスにいたデンマーク人の学生が、わからないところを何度もゆっくりと発音し、サポートしてくれたおかげで徐々に会話ができるようになりました。休み時間などは、学生が集うラウンジで積極的にコミュニケーションをとるように心掛けたため、会話力の向上につながったと実感しています。交流したデンマーク人の学生には、日本語が堪能な人やシェフを経験したことがある人もいました。いろいろな学生の多様な価値観に触れたことで視野が広がったと思います。親しくなったデンマーク人のクラスメイトと東京で再会できたときは、とても嬉しかったです。デンマーク独特の堅いパンやミートボールを学生食堂で味わったことは、食文化を知るよい体験となりました。このプログラムには、他キャンパスからも日本人学生が参加しており、同じ目標をもった素晴らしい仲間と巡り合うことができました。また、さらなる英会話力の向上を目指し、2年次は県内の留学機関を通してフィリピンヘ語学留学しました。留学の経験を生かし今後も英語学習を続けます。

留学前に備えるべきことや、留学中に心がけたこと

  • ①英語構文の本をもっていく
  • ②風邪薬や痛み止め薬などをもっていく
  • ③留学先の特徴や名所などを調べる
  • ④積極的に話しかけにいく
  • ⑤自分の意思を伝える「I want to~」など
  • ⑥挨拶をする!(話すきっかけになる)

留学中のある日のスケジュール

インターンシップInternship

バイオサイエンス学科4年次
株式会社 島津製作所

中島 知華子さん / 県立加治木高等学校(鹿児島県)出身

血液からDNAを抽出する仕事を担当
社員同士が高め合う姿勢に刺激

株式会社島津製作所で、10日間インターンシップをさせていただきました。精密機器の製造分野での評価が高く、ノーベル賞受賞者を輩出した最先端の企業で学び、自分にたりないスキルを見つけたいと思ったからです。配属先では、ロボットでの生化学実験の自動化検討で、血液からDNAを抽出する仕事を担当しました。プログラミングの知識がない中、最初は不安でしたが、社員の皆さんに一から丁寧に教えていただくことでたくさんの学びがあり、有意義な日々を過ごしました。また、社員の皆さんは定期的に「雑誌会」という勉強会を開いておられ、自分の専門以外の分野にも好奇心をもって、絶えず学び続けていらっしゃる姿勢に感動しました。就職活動において、どのように企業研究をしたら良いかなど、具体的なアドバイスもしていただきました。今回のインターンシップで、知識のない仕事にチャレンジしたことで、自分には根気強く取り組む力があるという新たな気づきもありました。今後は、卒業研究を進めるとともに、自分の力を生かせる会社に就職できるように努力したいです。

バイオサイエンス学科4年次
株式会社 島津製作所

友田 早紀さん / 県立安心院高等学校(大分県)出身

「plan、do、check、action」で
確かな成果を導くことを学ぶ

細胞培養基材の細胞毒性評価の実験を行う部署にインターンシップをさせていただき、そこで「plan(計画)、do(実行)、check(評価)、action(改善)(※以下PDCA)」が大切だということを教えていただきました。私は細胞培養の経験がなく、結果がうまく出ずに落ち込むこともありました。しかし、これらの結果から課題を考察し、次の実験のための計画を立て、実行、評価、改善を繰り返すことで、確かな成果が得られるということを学びました。社員の皆さんは、学んだことを報告し合う取り組みをされており、働きながらアウトプットだけでなくインプットもしているということに驚き、新しい知識を身につけることは研究をする上でとても大事だということを感じました。またオンとオフの切り替えがはっきりとしており、休憩時間に卓球をしてリフレッシュできたことは良い思い出です。このインターンシップで細胞実験の面白さを知り、卒業研究では細胞培養を行うテーマを選択しました。「PDCA」を心がけながら、細胞培養の実験に取り組んでいきたいです。

大学院生の声Voices of graduate students

農学研究科 農学専攻修士課程 2019年度 修了

本田 将大さん / 応用植物科学科卒業

絶滅危惧種が多く生息する
農業用ため池の保全に役立つ研究を

「農業用ため池における節足動物相の解明」をテーマに、絶滅危惧種が多く生息する農業用ため池をどのように保全していくかについて研究しました。九州内のため池に年間を通して足を運び、調査を行うことはとても大変な作業でしたが、その調査データを元に実験計画時に立てた仮説が立証できたときは、やりがいを感じました。卒業後は、水処理業界の会社(メタウォーター株式会社)に就職予定です。熊本地震を経験し水インフラの重要性を感じたことや、排水がため池に生息する生物に及ぼす影響などの学びを、仕事に生かしたいです。

農業研究科 農学専攻修士課程

山田 彩美さん / 応用動物科学科卒業

家畜の受胎率向上について研究し
動物繁殖分野で貢献したい

大学で農学について学びを深めるうちに、家畜の妊娠(受胎)に興味をもちました。最近の研究で、受精卵の着床時に「がんの転移にもみられる上皮間葉系転換」が起こっていることが解明されました。母親の子宮内膜に接着・着床すべき受精卵が、なぜ上皮間葉系転換という細胞同士を引き離す現象を示しているのかを解明し、受胎率の向上につなげたいと考えています。実験の結果が自分の予想と違ったとき、さまざまな角度から考察し、解決することが研究の醍醐味です。将来は、動物繁殖分野に関する研究職に就きたいと考えているため、大学院でさらに知見を広げ学びを深めていきたいです。

生物科学研究科 生物科学専攻博士課程

勝田 奈那さん / バイオサイエンス学科卒業

AGEsの研究に取り組み
世界の人々の健康やQOLを支えたい

糖とアミノ酸が結合して生成されるAGEsという物質について研究をしています。大学院では学会で発表する機会が増え、研究に対しさまざまな意見をいただけるので視野を広げて考えることができるようになります。研究に取り組む上で、海外の研究者が何年も前に書いた論文を参考にすることがあります。私の論文も、将来誰かが読み参考にしてくれるかもしれない、世界の人々の健康やQOLを支える一助になるかもしれないと考えるとより研究に熱が入ります。たとえどんなに小さな発見でも、まだ知られていないことを世界で最初に解き明かし、論文や学会で発表することが目標です。
※AGEsとは、糖とタンパク質が結びついて生成される物質です。